首取り様3
1人でも休めば連帯責任としてグラウンドを50周走らないといけない。


その間に1人でも倒れれば、更に5周追加だ。


誰も休めない。


誰も倒れられない状況が続いた。


更にたちの悪いのは、それを行っているのが顧問の先生だということだった。


先輩後輩の指導を影で操作していたのも、この顧問だったのだ。


どうして?


そんな疑問が浮かんでくる。


こんな、練習には全く関係のないようなことをさせらる覚えはない。


俺はサッカーがしたいんだ!


そう思っても、亮一は奥歯を噛み締めて黙り込んだ。


サッカーをしたいからこそ、ここから出ていくことができなかったのだ。
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