首取り様3
反論してサッカー部にいられなくなると亮一はこの高校にかよく目的を見失ってしまうことになる。


『先輩たちと一緒にいるときに友達と挨拶してんじゃねぇ!!』


練習が終わって片付けをしているとき、偶然友人が声をかけてきた。


それに反応した1年生がグラウンドを10周走らされる。


朝練が終わった後ボールを片付けていると、先輩たちが数人がかりで倉庫のドアを閉めた。


『いいか、絶対に授業には遅刻すんじゃねぇぞ』


閉じ込められた倉庫内でそう言われ、就業時間1分前に開放される。


後方から『走れ!!』と怒号が飛び、1年生は尻に火を付けられたようにダッシュで教室へ向かわないといけなかった。


サッカー部の練習を1日でも休めば、連帯責任。


大好きなサッカーをしているはずなのに、亮一はだんだん自分がなにをしているのかわからなくなってきていた。


体は毎日フラフラで、いつどこで先輩をすれ違うかわからないから、常に気をはっていないといけない。
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