首取り様3
「そうだよ、友達だよ。同じ目的を持った、友達」


智子はそう言うと地蔵の頭になってしまった友人、翔太の頭をなでた。


「みんなこの街が壊滅すればいいと思ってた。だから、首を探さなくてもいいって」


そんな……!


智子の話に佳奈は愕然としてしまう。


最初から首を探す必要がないを決めていたのなら、誰も危険を犯してまで首を探し出そうとはしないはずだ。


それが友人同士の約束ごとなら、智子たちはしっかりとそれを守っているだけなのだ。


たとえ自分が首を切られる番が回ってきたとしても、先に地蔵に首がついている仲間がいれば怖くない。


智子たちはきっとそう考えているのだろう。


あぁ、もう朝になってしまう。


これだけ説得しても智子たち3人は誰も首のあった場所を質問してこなかった。


最初から探すつもりがないからだ。


呆然として立ち尽くしていたとき、大輔がその場にヒザをついた。


そのまま上体を下げて頭を地面につける。
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