首取り様3
「都市伝説とか、そういう系統の本のほうがいいかもしれない」


明宏が選んだのはこの街で伝わっている伝説系の本だった。


「それって役立つの? ただの言い伝えとかだよね?」


佳奈が首をかしげて質問するが、明宏は自信満々に頷いた。


「うん。今回のことだってホラースポットへ行ったことがキッカケになっただろ。都市伝説と大差ないよ」


そう答えてページをめくる。


他の3人も明宏に言われたとおりこの街の伝説や伝統について記載されている資料を読んでいくことになった。


生まれ育った街だけれど、知らない祭事やイベント事が想像以上に多くて目を剥いてしまう。


膨大な資料を読んでいくうちに時間はあっという間に過ぎていく。


「あった!」


明宏がそう声を上げたのは図書館へ来て3時間が経過した頃だった。
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