首取り様3
とっくに昼の時間は過ぎていて、そろそろ休憩したいと思っていたところだった。


「あの地蔵について書かれてる」


それは子供向けの都市伝説の絵本のようで、ページには首無し地蔵が描かれている。


実物はもっと物々しい雰囲気を醸し出しているのに対し、絵はどこか懐かしみのある柔らかなタッチのものだった。


子供が怯えすぎないように配慮してあるのかもしれない。


「この物語の内容は、首無し地蔵が自分たちの頭を探して歩くストーリーになってる」


もともと首が作られなかった理由は記載されておらず、5体の地蔵がひたすら首を探すというものだ。


そして1体。


また1体と自分の首を見つけていく。
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