首取り様3
首を元に戻す方法がどこかに書かれているとすれば、それはネット上か図書館だ。


「首を見つけた場所を、もう1度探してみるっていうのはどうかな?」


明宏の言葉は意外なものだった。


自分たちはすでに何度も首を見つけた場所へ行き、そこでガイコツを見つけているのだ。


「どうしてまたそんなことをするつもりなの?」


春香に聞かれて明宏は「忘れたのか? 夢の中の影に言われたじゃないか」


それは前回明宏が首を取られたときのことだった。


夢の中で首を切られるとき、金縛りにあって動くことはできないが、相手に質問することはできるのだ。


そこで明宏は相手から『首のあった場所を探せ』と助言を受けていた。


そして空き地内では石碑を見つけているのだ。


「そういえば、あの石碑ももっとしっかり読んでおけばよかったよね」


春香はそう言って下唇を噛み締めた。


空き地の奥にあった石碑は随分と汚れていて、掘られた文字は土に埋もれて隠れてしまっていたのだ。


それでもある程度読んでみたが、石碑の周辺まで探すことはしなかった。


きっと心が焦っていたのだろう。


しかしイケニエではなくなった今、時間だけはたくさんある。


明宏が提案したように首のあった場所をもう1度探すことは可能だった。


そこになにもヒントがないようなら、また別の場所を探すことだってできる。
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