首取り様3
『まさか、あなたも反対意見をお持ちですか?』


『いえ、そんなことではありません。しかし今回はお守りがよく売れましたのでね』


神主が遠回しに街の人々がかなり不安を抱えていることを伝えると、長はため息を吐き出した。


『いずれにしてもイケニエは必要なものなんですよ』


呟くように返事をして、貝殻を空中へ投げたのだった。
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