首取り様3
『それなら私が代わりに行きます!』


『選ばれたのは子供の方だ』


長の足にすがりついて懇願する母親にそう告げて、長は家を出ていった。


その様子を近所の野次馬たちが冷たい目で見つめる。


道を歩いていればあちこちから長を蔑み、罵倒する声が聞こえてきた。


それらを聞こえないフリをしてやり過ごし、5人の子供たちを三福寺へと連れてきた。


そこではすでに儀式の準備が終わっていて、砂利の上に藁が敷き詰められていた。


そしてその横には刀を持った5人の男たちが待ち構えていた。


集められた子どもたちは藁の上に座らされて、追ってきた両親の姿を探している。


『やめて! その子を助けて!』


『頼む! 俺を代わりにイケニエにしてくれ!』


泣き叫ぶ親たちを、長が振り返って見ることはなかった。

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