首取り様3
その年のイケニエについては異例まみれだったため、しっかりと記述が残されていたようだ。


「そうなんだ……」


寺には置いておけないと講義する親たちの姿が脳裏に浮かんでくるようだった。


墓を掘り返して骨だけになった我が子を持ち帰る。


それはとても異様な光景だけれど、親の愛情を感じることでもあった。


それからしばらく話し合いを続けた後、それぞれの布団に入ることになった。


今日は色々なことをしたからさすがに体も疲れている。


布団に入った佳奈は数分と待たずにすぐに寝息を立て始めたのだった。
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