首取り様3
☆☆☆

その日も夢は見なかった。


疲れていたこともあり、深い深い眠りに誘われる。


しかし、毎日夜中の1時に目覚めていた体は反射的に目を覚ましていた。


目を開けたとき窓の外は真っ暗で、佳奈は手を伸ばしてスマホで時間を確認した。


夜中の1時ちょうどだ。


大きく息を吐き出して目を閉じる。


もう誰の首も取られる心配はないのに、この時間になったら体が自然と起きるようになってしまった。


このクセはきっとしばらくは抜けないだろう。


そう思って寝返りを打ったとき、気配を感じて目を開けた。


隣の布団で眠っていた春香が薄めを開いている。


「春香」


「佳奈も起きたんだね」


その声はしっかりしていて、寝起きではないことがわかった。


「うん」


頷いて、沈黙が降りてくる。
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