首取り様3
近づくにつれて3人の笑い声が大きく聞こえてきて、真夜中の沈黙を切り裂いた。


そしてその中の1人がこちらに気がついて笑顔を消した。


「あんたたち、人間?」


声をかけてきたのは暗闇の中で輝いて見える、金色の髪の毛をした女性だった。


金髪の女性の声に反応してあとの2人も視線をこちらへ向ける。


1人は赤毛の男。


もう1人は黒髪をツンツンに立てた男だった。


3人共随分と飲んでいたようで酒臭い。


「人間よ」


答えたのは佳奈だった。


それを聞いて3人が目を見開く。


「どうしてこっちの世界にいるんだよ。ここは俺たちと化け物しかいないはずだ」


赤毛の男がフラリと立ち上がって睨みつけてくる。


自分たちと化け物しかいない世界。


そう聞いて明宏が息を飲んだ。


「そうか。僕たちはまたこっちの世界に入ってくることができたのか」


ブツブツと呟く。
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