首取り様3
その意味を他の3人も理解した。


首探しのときには他の誰にも会うことができなくなる。


それなのに、自分たちがこちらの世界に入り込んだせいで、繋がれてしまったのだ。


「僕の名前は鈴木明宏」


明宏は自分から名前を名乗って敵意がないことを示してみせた。


他の3人も同じように自己紹介していく。


相手は黙ってそれを聞いてくれていた。


「私は智子。原田智子よ」


金髪の女性がそう言って微笑んだ。


笑うと幼さがにじみ出て、もしかしたら同年代くらいなのかもしれないと感じた。


夏休み中ならいくら髪色を変えたって怒られることもないだろうし。


「俺は亮一。こっちのツンツン頭は一生」


赤毛の男がそれぞれ紹介してくれた。
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