首取り様3
一体なにをしようとしているのか見ていると、3人はまだ息のある化け物の体をロープで拘束し始めたのだ。


手足をしっかりと結んで固定した上でズルズルと引きずるようにしてビニールシートの前まで移動してきた。


「それ、どうするつもり?」


佳奈の声が震えた。


黒い化け物を拘束してしまうなんて、自分たちでは考えられないことだったからだ。


化け物をさっさと退治して首を探す。


それしか考えてこなかった。


だけどこの3人組にはそれが通用しないらしい。


「合法的に生き物を拷問できるなんて最高でしょう?」


智子がうっとりした声色でそう言い、地蔵の裏側から大きな旅行かばんを取り出した。


中を開けるとロープやガムテープ、工具に使い方のわからない道具が次々出てくる。

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