首取り様3
ゾワゾワと泡立つ肌に気が付かないフリをして、頭部に触れる。


と、その手が頭部をすり抜けた。


佳奈の手は頭部を掴むことができず、思わず体のバランスが崩れて尻もちをついた。


「え? なに?」


なにが起こったのか理解できずキョトンとした表情で瞬きをする。


もう1度手をのばす。


しかし、やはり頭部には触れることができないのだ。


どうして!?


焦る気持ちで何度も頭部へ手をのばす。


そのどれもが無意味な行動だった。


森の木や草に触れることはできても、どうして頭部には触れられない。


佳奈は急いでスマホを取り出してグループメッセージを開いた。
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