首取り様3
肩をすくめて素知らぬ顔をする3人に大輔の顔がみるみる赤くなっていく。


怒りが沸点に達しそうになったとき、明宏が前に出た。


「お前らの仲間の首を見つけた」


その言葉に3人の表情が明らかに変わった。


笑みが消えて眉間にシワが寄る。


「なんだと?」


一番背の高い一生が明宏に近づき、見下ろした。


身長差がありすぎて子供と大人のように見える。


それでも明宏はひるまずに一生を睨みあげた。


「お前らが探さないから、僕たちが探したんだ。案内するから、首を持っていくんだ」


「余計なことしてんじゃねぇよ!」


明宏がすべてを言い終える前に一生が怒鳴っていた。


身を屈めて明宏に顔を近づける。


それは犬歯をむき出しにした野生の犬のようだ。
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