首取り様3
「でも、このままじゃ街が崩壊するんでしょう? どうして止めようとしないの?」


春香の言葉に一生の視線がそちらへ向いた。


「そんなの俺たちにとってこの街がどうでもいいからに決まってんだろ」


吐き捨てるようなセリフには強い怒りが込められている。


佳奈はゴクリとツバを飲み込んだ。


この3人はただ今の状況を楽しんでいるんじゃない。


なにか理由があるんだ。


「教えてやろうか。俺たちがこの街でどうやって生きてきたのか」


一生の言葉に智子と亮一も近づいてきた。


「お前らみたいにぬるま湯に使ってねぇんだよ。俺たちはな……」
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