首取り様3
力の強さに思わず顔をしかめる。


この2人が影で相撲取りと呼ばれるゆえんが、見た目とこの力の強さにあった。


そうして連れてこられた先はさきほど出てきたばかりの図書館の上の階に位置する、多目的教室だった。


この教室は随時空いていて自習に使うことができる。


今その教室の中には誰の姿もなかった。


中に入ると同時に和子が後ろ手にドアを閉める音が聞こえてきて智子は咄嗟に振り向いた。


そんな智子へ和子が視線を向けてニヤリと笑う。


『ねぇ、この前貸してあげたマンガなんだけど、ちゃんとしたのを返してくれない?』


『どういうこと?』


確かに栄子にマンガを借りて読んでいた。


けれどそれはちゃんと返したはずだ。


それになによりも、智子はそのマンガに興味はなかった。


それを強引に押し付けてきたのだ。


栄子がそれほど好きなマンガなら自分も読んでみよう。
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