俺にはくれないの?【短編】
期待しちゃいけない。
本当のことを言えば、この前の図書室の一見以来、ドキドキが止まらなかった。
もしかして、爽くんの好きな人って――
そんな都合の良い想像が膨らむばかり。
「えっと……これ、もらってくれるの?」
「もちろん。青山さんの待ってたんだ」
爽くんの言葉に心臓が波打つ。
最近の爽くんは本当に心臓に悪い……!
「青山さんからのチョコ嬉しいな。食べてもいい?」
頷くと、嬉しそうに顔をほころばせてラッピングを解き始めた。
どうしよう……
これは期待してもいい……んだよね?