真面目な私は、チャラい彼に溺愛されてるみたいです。

地味な仕事は嫌いではない。

私は、ひたすら彼のTシャツをたたんで棚に入れる。

段ボールの中でぐしゃぐしゃになっていたから。


「あれっ?」


これ、140cmのTシャツ!?

間違えたのかな?と思いつつも、大量の段ボールを玄関と部屋を往復して運んでいる夏川さんに聞いてみた。


「夏川さん~。140cmの服ありますけど、これも入れときますか~?」



「あ、弟のかも。今週末、一回家帰るからどっか分かりやすいとこに置いといて」


夏川さんに弟いるんだー。

本当に今日が初対面なので、お互いの事なんにも知らない。


「了解です」


私は、棚の上にその服を置いておいた。

そしてもくもくと服をたたむ。



すると、段ボール運びが終わったのか、彼が私の隣に座る。

いちいち距離近い……。


< 12 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop