真面目な私は、チャラい彼に溺愛されてるみたいです。
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「君がこよみちゃんっ?」
10分だけゆっくりしよう思って、リビングのソファーに腰かけてテレビをつけた時、急に後ろから話しかけられる。
――えっ!
待って。
今、男の人の声だった。
この家には母と私しかいないはずなのに。
しかも、今の声は父の声ではない。
――もしかして不審者!?
いや、でも不審者がいたら今頃母が何とかしてるだろう。
じゃあ、今私の名前を呼んだのは誰……。
恐る恐る振り返ってみる。
すると、首を右に90度ぐらい曲げたところで、整った顔が私の視界にうつった。
「っ!」
初対面だよね、この人。
顏近すぎでしょ。
私は、こんなに人と顔を近づけたことがなかったため、心臓がドクドク波打つ。