真面目な私は、チャラい彼に溺愛されてるみたいです。
「だっ、誰ですか……?」
私は、彼に聞いてみる。
なんで後ろにいたのに、ソファーに座るまで気づかなかったんだろう。
「僕は、夏川湊。これからよろしくね」
彼は、そう言って私に手を差し伸べてきた。
夏川さん……。
私は、一応社交辞令として握手をした。
ん……。これからよろしくってどういうこと……?
まさか……、と私は思って勢いよく振り返ると、予想通りニヤニヤ顔の母がいた。
「これから、こよみには湊くんと同居してもらいますッ!」
「えぇー!」
よ、予想はしていたけど、まさか事実だとは思わず、思わず大きな声が出てしまう。