首取り様4
☆☆☆

最寄りの小学校へ向かうと人影はなかった。


念の為にグラウンドに入って周囲を伺う。


「今日は鍵も開いてないんだろうな」


明宏が呟く。


普段子どもたちにで賑わっているはずの校舎も、今はシンッと静まり返っている。


生徒はもちろん先生や警備員も出勤してきていない様子だ。


「次に行こう」


落ち込んでる暇などない。


今はひたすらそれらしい場所を探すしかないのだ。


次に訪れたのは小学校から5キロほど離れた場所にある中学校だった。


小学校に比べると大きく、グラウンドからは遊具が消える。


「あの教室、電気がついてない?」


校門を入ったところで春香が電気のついている教室に気が付いた。


それは2階の角部屋だった。


他の教室には電気がついていないから、この日中でも電気がついていることに気が付いたのだ。
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