首取り様4
それなのに……。
呆然として5体の地蔵を見つめていたとき、不意に足元が大きく揺れた。
ゴゴゴッという地響きと共に立っていられなくなり、その場にヒザをついた。
地震!?
身構えた直後、近所の家々の玄関が開いて住民たちが慌てて駆け出してきた。
みんな着の身着のままで、揺れに驚いている。
その揺れはしばらくすると収まったものの、周囲の喧騒は消えない。
しばらくは揺れたことについて話し合っていた住人たちだが、1人がこちらへ視線を向けた。
その瞬間、みるみる顔が青ざめていく。
「じ、地蔵が!!」
男性は地蔵を指差してそう叫んだのだ。
三福寺にまつわるものを持っていないと、この地蔵は見えないはずなのに。
男性に促されるようにして他の人々も地蔵へ視線を向ける。
そのだれもが恐怖で顔を歪ませ、時には悲鳴を上げて、時にはそのまま家に逃げ帰っていく。
その様子を見ているだけで、この首無し地蔵たちは住民にとって地震よりも驚異の存在であることがわかった気がした。
呆然として5体の地蔵を見つめていたとき、不意に足元が大きく揺れた。
ゴゴゴッという地響きと共に立っていられなくなり、その場にヒザをついた。
地震!?
身構えた直後、近所の家々の玄関が開いて住民たちが慌てて駆け出してきた。
みんな着の身着のままで、揺れに驚いている。
その揺れはしばらくすると収まったものの、周囲の喧騒は消えない。
しばらくは揺れたことについて話し合っていた住人たちだが、1人がこちらへ視線を向けた。
その瞬間、みるみる顔が青ざめていく。
「じ、地蔵が!!」
男性は地蔵を指差してそう叫んだのだ。
三福寺にまつわるものを持っていないと、この地蔵は見えないはずなのに。
男性に促されるようにして他の人々も地蔵へ視線を向ける。
そのだれもが恐怖で顔を歪ませ、時には悲鳴を上げて、時にはそのまま家に逃げ帰っていく。
その様子を見ているだけで、この首無し地蔵たちは住民にとって地震よりも驚異の存在であることがわかった気がした。