首取り様4
「どうやって家の場所を調べるの?」


春香の言葉に明宏は一瞬黙り込んだ。


しかしあてはあるようで、道路を右に折れた。


更に走っていくと大きな建物が見え始める。


図書館だ。


「そっか。図書館にならこの街の地図もある!」


一軒一軒名字が書かれているか不安は残るものの、昔の地図なら個人情報なんて無視して載せられていたかもしれない。


そして首取りの家は明治時代からここに暮らしていることはすでにわかっていた。


明宏はスピードを落とさずに図書館へ向かう。


幸い周囲に化け物や地蔵の姿はない。


そのままの勢いで入り口までやってきたが、さすがに開いていなかった。


「どいてろ」


大輔に言われて入り口から数歩下がる。


大輔は大ぶりな石を掴んで思いっきり投げつけた。
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