首取り様4
あれは慎也の顔をしていても、慎也じゃない。


そうわかっているけれど、胸がジリジリと痛くなる。


やがて5体の地蔵たちは散り散りになり初めて、住民たちの悲鳴は遠くに聞こえるようになっていた。


そしてようやく4人は林から道路へと抜け出した。


「これが街を壊滅させるってこと?」


春香が震える声でつぶやいた。


てっきり大きな爆発が起きて、あっけなく終わってしまうのだと思いこんでいた。


だけど違うのだ。


地蔵たちは長年の恨みを晴らすために、住民たちを1人ずつ殺していく。


人間の首を引きちぎってしまうほどの力に、そう簡単に太刀打ちすることはできない。


住民たちは一刻も早くこの街を出ていくしかないのだ。
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