首取り様4
「あいつらはどこに行った?」


大輔が智子と亮一を探し始めた。


しかし、近くに彼らの姿はない。


街に突然訪れた喧騒に姿をくらましてしまったようだ。


「くそっ! あいつら絶対に許せねぇ! こうなるってわかってたんだよな!?」


大輔の言葉に春香は頷いた。


そう、彼らはこうなることをわかっていた。


そしてわざと首を探さなかったんだ。


それは人殺しと同罪だった。


問い詰めて、1発くらい殴り飛ばさないと大輔は気が済まなかった。


「あいつらを探し出そう。もしかしたら、この状況をもとに戻す方法も知っているかもしれない」


明宏が顎に指を当ててつぶやいた。


彼らはイケニエや儀式について深い知識を持っていた。


街が壊滅させられることも知っていたし、それ以上の情報を持っていてもおかしくはなかった。
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