首取り様4
悲鳴も恐怖も忘れてしまい、ただ呆然と立ち尽くす。


「再生した!?」


佳奈が叫ぶ。


そう、地蔵の手は切り取られる前と同じ状態に戻っていたのだ。


「本物の化け物だ」


明宏が呆然としながらも呟く。


こいつら、首を切らない限り何度でも再生するのか。


黒い化け物とは比べ物にならない、ほぼ不死身状態だ。


地蔵が生え変わった右腕を大輔に向けて伸ばしてくる。


それが大輔の首にかかる寸前で、その場にしゃがみこんで交わした。


幸い地蔵たちは人間に近づかないと攻撃ができない。


刀を持っている大輔にとっては有利だった。


しゃがみこんだ大輔は地蔵の足を切り落とし、地蔵を転倒させることに成功した。


いける!!


佳奈は思わず拳を握りしめる。
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