彼は私を偏愛している
亜舟の抱き締める腕の力が強くなっていく。
「あ!あの……!」
「何処で?風呂入ったの?」
「そ、それは…」
「あれ?これ……“誰の”スウェット?」
頼廣のパーカーを指差す。
「━━━━━━!!!?
あ、こ、これは!ちょっと、理由があって……!」
「どう見ても、メンズだよね?
おかしいなぁー
僕は、こんな“安い”スウェット持ってないのになぁ」
ベッドに縫いつけられる、雛菜。
「ヒナ!」
「ごめんなさい!」
「ヒーナ!」
「ごめんなさい!」
「違うよ、ヒナから謝罪の言葉は聞きたくない」
「亜舟く…」
「そうだよ。もっと、僕の名前呼んで?」
雛菜の頬を撫でながら言う。
「亜舟くん」
「ヒナ」
「亜舟くん」
「ヒナ」
「亜舟くん」
「ヒナ」
「亜舟くん」
「ヒナ」
「亜━━━━」
「ねぇ、ヒナ」
「は、はい!」
「さっきの安いスウェット、僕が返しておくね」
「え?でも、誰のスウェットかわからないでしょ?」
「貝谷 頼廣」
「え……」
「ヒナに惚れてる男。
一度、告白されたことあるんでしょ?」
「どう…して、それを……」
「ヒナのことは、ぜーんぶ知ってるんだよ?
過去も、未来も、全部僕のモノ!」
「亜舟くん、なんか怖い……」
「━━━━━━ヒナ、わかってる?」
「え?」
「一度告白された男の家へ行く、風呂に入る、パーカーを借りて着る。
このなんともいえない、無防備な姿。
“ある意味”僕は、貝谷に同情するよ」
「え……」
「だってそうでしょ?
僕が貝谷だったら、絶対に家から出さない。
その場で、無理矢理犯してる」
「………」
「酷いと思った?」
「………」
「でもね。酷いのは、ヒナだよ。
好意を持ってる男の家へ行き、あろうことか風呂に入り、服を借りる。
そんなことされたら、相手の心は壊れていく。
何をされても文句言えないんだよ?」
確かにそうだ。
亜舟の言う通りだ。
結果的に、亜舟と頼廣の二人を傷つけたのだ。
「ヒナは、可愛いなぁー」
「え……」
「鈍感で、無防備で、無自覚。
色んな男の心を奪い去り、壊していく」
「………」
「でも、僕はそんなヒナを独り占めすることができる。それは婚約者である、僕の特権!」
「亜舟く…」
「ヒナ、目には目を歯には歯をってことわざ、知ってる?」
「え?」
「僕は、基本的には何をされても何も感じないんだけど、ヒナに関することは敏感に反応するんだ」
「じゃあ…私……」
「ヒナ、僕の心を壊したんだから……」
亜舟の顔が近づいてくる。
「ヒナも、壊れろ………!!」
「あ!あの……!」
「何処で?風呂入ったの?」
「そ、それは…」
「あれ?これ……“誰の”スウェット?」
頼廣のパーカーを指差す。
「━━━━━━!!!?
あ、こ、これは!ちょっと、理由があって……!」
「どう見ても、メンズだよね?
おかしいなぁー
僕は、こんな“安い”スウェット持ってないのになぁ」
ベッドに縫いつけられる、雛菜。
「ヒナ!」
「ごめんなさい!」
「ヒーナ!」
「ごめんなさい!」
「違うよ、ヒナから謝罪の言葉は聞きたくない」
「亜舟く…」
「そうだよ。もっと、僕の名前呼んで?」
雛菜の頬を撫でながら言う。
「亜舟くん」
「ヒナ」
「亜舟くん」
「ヒナ」
「亜舟くん」
「ヒナ」
「亜舟くん」
「ヒナ」
「亜━━━━」
「ねぇ、ヒナ」
「は、はい!」
「さっきの安いスウェット、僕が返しておくね」
「え?でも、誰のスウェットかわからないでしょ?」
「貝谷 頼廣」
「え……」
「ヒナに惚れてる男。
一度、告白されたことあるんでしょ?」
「どう…して、それを……」
「ヒナのことは、ぜーんぶ知ってるんだよ?
過去も、未来も、全部僕のモノ!」
「亜舟くん、なんか怖い……」
「━━━━━━ヒナ、わかってる?」
「え?」
「一度告白された男の家へ行く、風呂に入る、パーカーを借りて着る。
このなんともいえない、無防備な姿。
“ある意味”僕は、貝谷に同情するよ」
「え……」
「だってそうでしょ?
僕が貝谷だったら、絶対に家から出さない。
その場で、無理矢理犯してる」
「………」
「酷いと思った?」
「………」
「でもね。酷いのは、ヒナだよ。
好意を持ってる男の家へ行き、あろうことか風呂に入り、服を借りる。
そんなことされたら、相手の心は壊れていく。
何をされても文句言えないんだよ?」
確かにそうだ。
亜舟の言う通りだ。
結果的に、亜舟と頼廣の二人を傷つけたのだ。
「ヒナは、可愛いなぁー」
「え……」
「鈍感で、無防備で、無自覚。
色んな男の心を奪い去り、壊していく」
「………」
「でも、僕はそんなヒナを独り占めすることができる。それは婚約者である、僕の特権!」
「亜舟く…」
「ヒナ、目には目を歯には歯をってことわざ、知ってる?」
「え?」
「僕は、基本的には何をされても何も感じないんだけど、ヒナに関することは敏感に反応するんだ」
「じゃあ…私……」
「ヒナ、僕の心を壊したんだから……」
亜舟の顔が近づいてくる。
「ヒナも、壊れろ………!!」