彼は私を偏愛している
「雛菜!」
「え?」
「お前、帰るんだろ?」
「うん」
「一緒、帰ろ?」
講義が終わり瀬里はサークルへ、未華子はバイトへ向かったので、雛菜は一人で大学を出ようとしていた。
そこに、頼廣が声をかけてきた。
「うん。
でも、私もう実家じゃないの」
「え!?もしかして、昨日の婚約者って奴のとこ?」
「うん」
「本当に、雛菜の婚約者なの?」
「うん…」
「………好きな人って、あいつ?」
「うん、そうだよ」
「おっさんじゃん!」
「亜舟くんは、おじさんじゃないもん!」
「亜舟?
━━━━━もしかして!?
阿久津 亜舟!!?」
「え?亜舟くんのこと、知ってるの?」
「だって、有名じゃん!
阿久津財閥の御曹司だろ?」
「うん、そうだよ。幼なじみなの」
「そんな大物と、雛菜がつりあうわけねぇじゃん!」
「そ、それは……」
「確かに雛菜は、可愛いし、優しいし、守ってあげたくなるような女だけど……
阿久津なんて、俺達とはレベルが違う!
俺達がどんなに頑張っても、敵わないような人種なんだぞ!」
「そんなこと……わかってるよ…」
あれから頼廣との雰囲気が悪くなり、結局一人で帰ることにした雛菜。
雛菜はデパートにいた。
少しでも亜舟に飽きられないように、プレゼントを渡そうと考えたのだ。
「でも、何を贈ろうかな…
やっぱ社長さんだし、ブランド物がいいよね!」
(………って…高っ!!)
「いらっしゃいませ。どんな物をお探しですか?」
「え?えーと……」
(どうしよう…今更、店を出にくい……)
断ることができなくていいあぐねていると、ふとキーホルダーに目がいった。
(キーホルダーだったら、比較的買えるかな?
━━━━━━ご、五千円!!?
キーホルダーが、五千円!?
あり得ない……!!?)
「キーホルダーですか?
こちらは、中に小さなダイヤが入ってるんですよ!
なので、恋人や旦那様への贈り物にもいいですよ?」
「じゃあ、これを……」
(確か、ダイヤモンドって“永遠の愛”って意味があるんだよね…!
だったら、贈る価値あるよね?)
プレゼントを抱え、マンションに戻った雛菜。
「てか!何もない日にプレゼントっておかしくない?」
勢いで買ったのはいいが、果たして喜んでもらえるのだろうか?
かといって、五千円もした贈り物を渡さないわけにもいかない。
「いや、別に何でもない日だからって渡しちゃダメって決まりもないし!
うん!渡そう!」
自分自身に気合いを入れた、雛菜だった。
「え?」
「お前、帰るんだろ?」
「うん」
「一緒、帰ろ?」
講義が終わり瀬里はサークルへ、未華子はバイトへ向かったので、雛菜は一人で大学を出ようとしていた。
そこに、頼廣が声をかけてきた。
「うん。
でも、私もう実家じゃないの」
「え!?もしかして、昨日の婚約者って奴のとこ?」
「うん」
「本当に、雛菜の婚約者なの?」
「うん…」
「………好きな人って、あいつ?」
「うん、そうだよ」
「おっさんじゃん!」
「亜舟くんは、おじさんじゃないもん!」
「亜舟?
━━━━━もしかして!?
阿久津 亜舟!!?」
「え?亜舟くんのこと、知ってるの?」
「だって、有名じゃん!
阿久津財閥の御曹司だろ?」
「うん、そうだよ。幼なじみなの」
「そんな大物と、雛菜がつりあうわけねぇじゃん!」
「そ、それは……」
「確かに雛菜は、可愛いし、優しいし、守ってあげたくなるような女だけど……
阿久津なんて、俺達とはレベルが違う!
俺達がどんなに頑張っても、敵わないような人種なんだぞ!」
「そんなこと……わかってるよ…」
あれから頼廣との雰囲気が悪くなり、結局一人で帰ることにした雛菜。
雛菜はデパートにいた。
少しでも亜舟に飽きられないように、プレゼントを渡そうと考えたのだ。
「でも、何を贈ろうかな…
やっぱ社長さんだし、ブランド物がいいよね!」
(………って…高っ!!)
「いらっしゃいませ。どんな物をお探しですか?」
「え?えーと……」
(どうしよう…今更、店を出にくい……)
断ることができなくていいあぐねていると、ふとキーホルダーに目がいった。
(キーホルダーだったら、比較的買えるかな?
━━━━━━ご、五千円!!?
キーホルダーが、五千円!?
あり得ない……!!?)
「キーホルダーですか?
こちらは、中に小さなダイヤが入ってるんですよ!
なので、恋人や旦那様への贈り物にもいいですよ?」
「じゃあ、これを……」
(確か、ダイヤモンドって“永遠の愛”って意味があるんだよね…!
だったら、贈る価値あるよね?)
プレゼントを抱え、マンションに戻った雛菜。
「てか!何もない日にプレゼントっておかしくない?」
勢いで買ったのはいいが、果たして喜んでもらえるのだろうか?
かといって、五千円もした贈り物を渡さないわけにもいかない。
「いや、別に何でもない日だからって渡しちゃダメって決まりもないし!
うん!渡そう!」
自分自身に気合いを入れた、雛菜だった。