さぁ、秘密の恋をはじめよう。
「えぇっと、別にうちに夕飯食べに来るのはいいけど、俺の部屋は来ないで。」

「なんで?」

まさか、プライバシーがなんとかって言うんじゃないだろうな。そうなったら私なんてプライバシーのかけらもないじゃないか。
なんて思っていると、颯斗の右手が伸びてきて私の髪をくしゃくしゃと撫で始める。

「俺の部屋にすいが来たら、色々耐えられそうにない……から。」

颯斗が撫でている腕の隙間から顔を見ると、少し照れたように顔を赤く染めている。

それは……つまり…………………!?

「ソ、ソウデスカ。じ、じゃあやめておこうカナ。」

「それがいいと思う。じゃ、おやすみ。」

「おや、すみ。」

私の言葉を聞くと、颯斗は早歩きで家の中に入ってしまった。

そ、そう、ですよね。付き合うってことは、あ、あははははは。

ぶっちゃけると、付き合ってからまだハグしか経験してない私には、あの言葉は刺激的すぎた。私を殺す気かぁ!!!
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