背中合わせの恋
休日の朝、晴れた空を綺麗なブイの字を描いて飛ぶ鳥たちを見てふとある映像が思い浮かんだ。
あの人は……あの何気ない数秒間の海の動画を送ってきた人の名前は……と、少し考えて思い出した。
そう、彼の名前は眞幌だった。
知り合ったときは本名を知らなかったから、ツイッター上の名前である「yomo」と呼んでいた。
彼が飼っていた猫の名前が「よもぎ」だったから、そこからとったらしい。
その時は、長年付き合っていた彼との関係が崩れ始めていた時期だった。
食事は一人で食べるのが当たり前。気晴らしと言えばツイッターで見知らぬ人と他愛のない言葉で繋がっていることだった。
実際に会おうなんて思っていなくて、ただ誰かに私の存在を確認しておいて欲しかった。そうでなければ消えてしまいそうな……それほどに生きている感覚が危うくなっていた。
ツイッター上でのyomoくんは驚くほど繊細で私の心の中を鋭く察してくる人だった。
ラインのI Dを交換した後も、返信するタイミングだけで、私が何かを躊躇しているのがわかって、それをやんわり指摘してくるような……そんな人だった。
「どうしてそんなに私のことがわかるの」
尋ねてみても、だいたい返ってくる言葉は「なんとなく」だった。
この「なんとなく」は、理路整然と理由があるものよりずっと深い何かを感じさせた。
(この人は私を理解してくれている)
そんな気がして、少しずつ私はyomoくんとの交流にのめり込んでいった。
あの人は……あの何気ない数秒間の海の動画を送ってきた人の名前は……と、少し考えて思い出した。
そう、彼の名前は眞幌だった。
知り合ったときは本名を知らなかったから、ツイッター上の名前である「yomo」と呼んでいた。
彼が飼っていた猫の名前が「よもぎ」だったから、そこからとったらしい。
その時は、長年付き合っていた彼との関係が崩れ始めていた時期だった。
食事は一人で食べるのが当たり前。気晴らしと言えばツイッターで見知らぬ人と他愛のない言葉で繋がっていることだった。
実際に会おうなんて思っていなくて、ただ誰かに私の存在を確認しておいて欲しかった。そうでなければ消えてしまいそうな……それほどに生きている感覚が危うくなっていた。
ツイッター上でのyomoくんは驚くほど繊細で私の心の中を鋭く察してくる人だった。
ラインのI Dを交換した後も、返信するタイミングだけで、私が何かを躊躇しているのがわかって、それをやんわり指摘してくるような……そんな人だった。
「どうしてそんなに私のことがわかるの」
尋ねてみても、だいたい返ってくる言葉は「なんとなく」だった。
この「なんとなく」は、理路整然と理由があるものよりずっと深い何かを感じさせた。
(この人は私を理解してくれている)
そんな気がして、少しずつ私はyomoくんとの交流にのめり込んでいった。
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