数馬くんのことが好きすぎて腹がたつ


自分の身は自分で守るしかないとスカートのポケットに忍びこませた防犯ブザーを強く握りしめて「うん!」と気合いをいれた。



私は、学校の正門をそそくさと出て電車に乗る為に駅に向かって早足で向かう。



夕方に近い時間帯、日は落ちかけて人通りが少ない商店街の道を心細い思いをしながら一人で真っ直ぐに歩く。



街灯の少ない夜はもっと物騒な感じで絶対に女の子が一人で歩けない道だ。



あと30メートルで駅に着く、そう思った時のことだった。
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