数馬くんのことが好きすぎて腹がたつ
突然、電柱の影から不審な人影があらわれ、かりんは腕を強く捕まれてそのままぐいっと電柱の影へ引っ張られた。
「もう、スマホの電話に出てくれないんだね。……なんで?」
ドS系のその低い声、その話し方………。
かりんには聞き覚えのある声だった。
「もしかして、私のスマホに非通知の電話をかけてきたのって……、」
「──俺だったら、どうするわけ」
折れそうな細くて白い手首をガシっと強く握られて顔を歪めるかりん。
「……ぁのっ、ちょっと、痛いんだけど!放してよ!!」
「俺の質問にちゃんと答えたらね──。俺ともう一度やり直す?」
急に、なに、いってるの。
「……っは?!」
慎一、私達はもう中学1年生の冬に終わったんだよ。
中居 慎一、私が通っていた中学校の時の同級生で私の元彼。