数馬くんのことが好きすぎて腹がたつ
慎一が話し始めた。
「俺、1か月前、彼女と別れてん。それで、やっぱり、お前のことをずっと忘れられへんかった………。お前のことが、好き」
「で、ずっと非通知を私にかけてたん?彼女と別れたから、次……また私って何かおかしくない?」
「非通知、俺ってわかるの嫌やったから。でも、そんなんとちゃうねん。なぁ──、」
慎一がかりんの顎に指をかけてクイッと少し持ち上げた。
「かりんのこのパッチリとしたいつも潤んでいる瞳とつぶらな鼻と赤い唇が俺の頭から離れへんねん。歩くと揺れる短めのポニーテールも、華奢なこの体も全部……。今も、今までもずっと俺好きやねん」
「もう、遅いよ。あの時、慎一から私を振ったんやで、そんなこと今更言わんといてや……」
「わかってる。………もしかして、なんなん、俺以外に好きな人が出来た?」
「………………」
かりんは黙ったまま下を俯いた。