数馬くんのことが好きすぎて腹がたつ


数馬くんが殺気立っている、目つきも鋭く、普段よりも声がワントーン低い。


「かりん、行こう!」と数馬がかりんの手を強く引っ張って自分の体に引き寄せた。


すかさず、慎一が数馬を呼び止める。


「ちょいっ、待ちや!」


「もう、まだ何か用があるんかぁ?」


「お前らほんまに付き合ってるんか?何年付き合ってるねん?」



慎一が目を細めて疑心暗鬼な眼差しで数馬を見ている。



「俺ら初めて出会ったんが、新入生の教科書購入の時やから、かれこれ3年ぐらいかな。なぁ、かりん?」と数馬がかりんと目を合わせる。


「……うん」


私はこの張り詰めた空気がどうも苦手だけれど、でもあの日から数馬くんが私のことをずっと覚えてくれていたことがちょっぴり嬉しかった。


しかし、慎一はますます食い下がろうとする。


「俺、ちょっと信じられへんねんけど。ここで、ほな、しっかり証拠をみせてみろよ」


「どんな証拠がいいねん?何でも、言うてや」


数馬の言葉に目を丸くして驚いているかりん。


数馬くんそんなことを言うても大丈夫なん?!
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