数馬くんのことが好きすぎて腹がたつ


しばらくの間、私はずっと頑張って息を止めていた。


少しでも、動くと数馬くんと唇が触れそうだったから。


50秒が経過。


あぁ、息、苦しくなってきたかも。


数馬が顔を上げてドヤとばかりに慎一の顔を見た。


「まだ、物足らんかったら。何回でもキスするけど。どうする?」


「もう、俺に見せつけられたら、ええわ。かりん、幸せにできんかったら、俺が許せへんからな」


「俺が幸せにできへんと思ってんの?銀河1幸せにしてみせるから、安心して」


場が悪くなった慎一は静かにその場を去っていった。


「あぁー、緊張したわ!」と肩の力を緩めて笑いだした数馬。


数馬くんの心音の合計は130回、今はこんなに笑っているけれど、ほんまに緊張していたんやね。


「ほんまに、困ってたから。ありがとう」


「まじっ、気をつけなあかんで」


数馬がかりんの頭を手でポンポンと軽くたたいた。
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