数馬くんのことが好きすぎて腹がたつ
それに卒業式近いしもう大切な親友と揉めたくないねん。
穂波の言葉を思い出した。
そうやねん。
言われたこと、少し当たってるかもしれへん。
関西と北海道、海はさんで陸が離れるやん。
私が北海道へ行ったら、
──好きな人に直ぐ会われへんやん。
そんなん、本当に辛いねん。
そんなことで自分が行く先の大学を迷うって、私アホなんかな。
あぁ、頭の中も、胸の中も、モヤモヤするわ。
こんな大変なことになるなんて思ってへんかった。
沈んだ表情のかりん。
しばらく私、浮上出来そうにないわ。
ご飯もお菓子も喉通らへん。
落ち着いたら、ちゃんと話そうかな恵と穂波に昨日のこと。
親友同士で同じ人を好きになるって、ほんまにつらいわ。
こんなに苦しくて、辛い思いをするんなら。
もしかしたら、私、数馬くんと出会わん方が良かったんかも──。