数馬くんのことが好きすぎて腹がたつ
私の恋い焦がれている本人、隣りの3年2組の教室にいるんやけど。
その人の名前は森 数馬。
なんせ、この学校の中で1番イケメンでモテていて凄く人気がある人。
森 数馬を知らない人はいない。
私が数馬くんと初めて出会ったのは──、新入生の教科書購入の時で。
あの時、150センチの小柄な私は購入したばかりの高く積み上がった重い教科書を両手で抱きかかえるように持ってよろよろと歩いていると、
突然ドカンと人にぶつかった衝撃を受け、よろけて派手に転倒をしたのだった。
瞬時に私の頭の中はまっ白になった。
なにっ、今の、接触事故?!
ちがうちがう、交通事故とちゃうし。
とにかく私は床に強く膝を打ちつけて痛くてなかなか直ぐに立ち上がれずにいた。