数馬くんのことが好きすぎて腹がたつ
無音の時間が二人の空間の間を流れる。
「俺、お前のことがずっと好きだった」
「……えっ」
「返事、卒業式までに聞かせてや。ほな」と勇斗がその場を直ぐに走り去った。
呆然と立ちつくしている、かりん。
──何、今の……。
突然の告白、びっくりした。
私、正直、今……穂波のこととかで頭いっぱいやし。
勇斗くん、卒業式までに返事聞かせてって。
勇斗くん、何言うてるん?
勇斗くんは時々学校で問題を起こすことがある少しやんちゃな男子。
でも、私にとっては頼りがいがあって、話しやすくて、勇斗くんは仲のいい同級生やし部長やねん。
なぁ、そのままじゃ、あかんの私ら──。
なんなん、告白されたのに、何でこんなに気持ちが重くて苦しいやろう。