数馬くんのことが好きすぎて腹がたつ


2月18日。


放課後、3年2組の教室。


数馬と穂波以外誰もいない静かな教室。


黒板の近くの壁掛け時計の秒針の針がカチッカチッと動く音だけが響いている。


「俺に用事があるって、何なん?」


「ごめんね、数馬くんとちょっと少し話がしたくて」


「俺、この後職員室に行かなあかんから、急いでるねんけど」


「じゃあ、単刀直入に聞くね」


「ああ」


「住谷 かりんのこと好き?」


「何で、そんなこと急に俺に聞くん?」


「この間、見ちゃったの。数馬くんとかりんがキスをしているところを──」


数馬は動じず「ああ、……あれか」と言った。
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