数馬くんのことが好きすぎて腹がたつ
・第5章
2月21日。
お昼休み、図書室。
静かに本のページをめくる音があちらからこちらからと聞こえてくる。
かりんが本棚の周りをゆっくりと歩いている。
私は、教室にいづらいから図書室に逃げてきた。
ここなら何か落ち着いて安心ができる。
穂波とはこれ以上言い争いはしたくないし。
恵は仲裁役で疲れている様子。
ほんまは私今日学校をずる休みしたろうかなぁ、なんて考えていた。
昨日の放課後に見た光景があまりにも刺激過ぎたから。
数馬くんと穂波のキス。
目を疑いたかった。
数馬くん、もしかして──。
誰にでも仮の彼氏を演じるタイプなん?
……まさかね。
でも、昨日、穂波から数馬くんにキスをしてた。
そもそも何で3年2組の教室に数馬くんと穂波が二人きりでいるん?