数馬くんのことが好きすぎて腹がたつ
私の大好きなおばあちゃんが北海道にいて、小さい頃から私は家族と一緒に夏休み、冬休み、春休み、季節の休みごとにおばあちゃんに良く会いに行っていた。
おばあちゃんは30ヘクタールもあるだだっ広い土地で牛や馬や豚や羊等を飼い、色々な種類の野菜を育て、宿泊施設や喫茶店を営んでいる。
北海道では人気のある観光場所に選ばれているから、平日も土日祝日もお客さんで溢れて繁盛している。
そう、だからしっかりと農業や観光についてしっかりと勉強をして、ゆくゆくは私はそこを継ぎたいと今は思っている。
かりんが本棚の高い位置にある本が気になり手を伸ばそうとした。
かりんがとろうとしていた本は【農場と観光について】の本だった。
よいしょ、あと、もう少しで手が届きそう。
ほら、ほらっ、ほらっ………。
細い指先を目いっぱい伸ばして何度本を取ろうとしてもなかなか届かなくて困っている、その時だった。
背後から「この本でいいの?」と低い声がしたものだからかりんが振り返るとそれは数馬だった。
数馬を見てはっと驚くかりん。
かりんの鼓動が早く鳴り始める。