数馬くんのことが好きすぎて腹がたつ
ほんで、そんなに顔が近いと私また全身が熱くなって顔が赤くなるんやけど。
「──かりん、ちょっと……」
『ちょっと』何?、だから説明をさせてって………?
数馬が自分の頭をかりんのおでこにコツンと当てた。
「かりん、顔が赤いし……、熱いし、ちょっと熱があるんちゃう?風邪?大丈夫なん」
私、全然熱ないし。
どこも悪くないし、健康やで。
きっと、もし熱が出ているとしたら、それは知恵熱やわ、うん、たぶん……。
「私、………大丈夫やし」
こんなことされたら顔が赤くなるん当たり前やん。
赤くならん人、きっとおらんやろ。
もし、いてたらその人おかしいで。
それよりも、またこんなんしてるん誰かに見られて誤解されたらどうするん、もう嫌やねん、とカリンが周りを見渡す。
あれっ、人気がない。
なんで?
壁にかかっている時計の針が午後1時5分を指していた。
やばっ、昼休みがもうすぐ終わるやん、急いで教室に戻らな。
数馬が教室へ戻ろうとするかりんの腕を強く握り、そのままかりんを強く抱きしめた。
ひゃっ!、と驚くかりん。
「もうっ、離して。教室に戻らな………」
「──嫌や。もう、離さへん」