数馬くんのことが好きすぎて腹がたつ
ぶつかった相手が直ぐにしゃがみ込み、低音イケボの男子が「……ごめん──、」と両手で床に散らばった私の教科書を焦った様子で急いで拾い集めた後、顔をぐっと私に近づけてきて私の顔をじっと見た。
ひぃっ、顔が近すぎる。
私の心臓がドキンッと大きく一つ鳴る。
私は相手の顔があまりにも美しすぎてつい少しの間うっとりと見とれてしまっていた。
拝まないといけないぐらいのレベルの美しい顔。
漫画の世界だけやと思っていたけれど。