数馬くんのことが好きすぎて腹がたつ
こんな時になんやけど、数馬くんの可愛いエピソードを一つ思い出した。
ちょうど今日から3日前、数馬くんと一緒に帰った下校途中のこと。
数馬くん長身で体が大きいのに小さい白い犬が怖かったみたい。
その小さい白い犬が歯をむき出してワンワン吠えて数馬くんに近づいてきたら小声で『……怖い』って身をかがめて私の後ろに隠れたことがあった。
ちなみに小さい白い犬はポメラニアンの子犬だった。
どうやら幼少期に犬に足を噛まれたことがトラウマになった原因らしい。
意外やった。
見かけによらずそんな怖がりさんな一面も持っているのを私だけが知っている。
でも、今日はこんなに人が大勢いるのに数馬くんピアノ弾いている時、凄く堂々としていたね。
私やったら絶対にあかんわ、私緊張しいやし。
卒業生の歌の練習もそんなに回数が多くなかったのに。
なんでなん?
数馬くん、楽譜なしで耳コピだけで覚えられるなんて天才が成し得る技やで。
ほんまに、ギャップ萌えもいいところやわ。
悔しいけれど、私のハート全部持っていかれたかも。
スキ過ぎて数馬くんに腹が立つ。
って、数馬くん、何歳からピアノを弾けたのだろう?
それは後ほど配られた卒業文集を手にした時に私は初めて知ることになるのだった。