数馬くんのことが好きすぎて腹がたつ


入学式が終わった翌日。



通学途中の満員電車の中で真新しい制服を着ているあの時のイケメンの姿を私は見つけることができた。



また会えたという喜びで私の胸が高鳴った。




やっぱり間違いない、私と同じ新入生だった。



濃い紺色のブレザーにストライプの柄のネクタイがまた映えてカッコいい。



それからというもの、登校時や下校時、同じ電車の車両の中、お互いの位置が近かったり遠かったり、そして時々お互い良く目が合うことが多くあった。



目が合っても、お互い挨拶も交わさなければ、そこから何か話すわけでもない。


でも、その時は会えるだけでじゅうぶん凄く幸せで、また会えることは毎日学校へ行くことの私の楽しみの1つにもなっていた。
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