くま先輩は、苦くて甘くて時々キス。



「先輩、ここ外です。ダメです」
「いいじゃん、誰もいない。誰も来ないし俺がいるとこにわざわざ来ねーよ」

 そ、そうだけど……校舎から見えるかもしれないでしょ!?

「でも、くま先輩。私は無理ですっ」
「なら俺が行く」

 くま先輩は私に近づくと、軽々とヨイショっと抱きしめて膝に乗せた。

「……な、な、なんでっひ、膝なんですか?」
「ん、いいじゃん。ぴよこは俺のでしょ?」
「……っ……そ、そうですけど! 耳元で言わないでくださいっ!」

 そんなでこぼこなコンビの私たちは、付き合っている恋人同士なんだけど……なぜ、私たちが付き合うようになったのかは去年のバレンタインに遡る。


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