くま先輩は、苦くて甘くて時々キス。



 ***


「くま先輩、バレンタイン何がいいですか?」
「この前作ってくれたババロアがいい。あれ、美味かった」

 ババロアか……うん、いいかも。

「分かりました! 頑張りますっ」

 私はババロアの材料とか作り方とか頭の中でイメージしていると「あと、」とくま先輩は呟いた。

「家に来てほしい、名前で呼んでほしい」
「ぇっと……」
「ダメ、か?」

 そう色っぽい声で言うから「は、はい。大丈夫です!」と答えてしまって、バレンタインは楽しみのはずなのに毎日ドキドキしてくま先輩と目が合わせられなかった。



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