くま先輩は、苦くて甘くて時々キス。


 そして、バレンタイン当日。その日は日曜日で、駅前集合で待ち合わせをしそのまま彼の家にお邪魔する予定になっている。
 私はバレンタインの日のために買った白ニットのトップスにグレイとベージュのミニタイトチェックスカートを着た。ミニスカートなんて履いたことないからスースーして恥ずかしい。どうしよう……メイクも初めてやったけどいいかな、おかしくないだろうか。
 ワタワタとしながらも支度を済ませて、駅前まで走って向かった。すると「ひなこ」と名前で呼ばれ振り向くと、私服を着こなすくま先輩がいた。

「あっ、おはようございます! たっ、たつき先輩」
「おはよ、可愛いねひな」
「!? あ、ありがとうございますっ嬉しいです」
「じゃ、行こ」

 くま先輩もとい、龍樹先輩に手を繋がれて歩くと誰もがこちらを振り向く。容姿もだけど、私が151センチに対して先輩は185センチという圧倒的な差があるしどうやってこのふたりは出会ったんだ!? って私だって思う。

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