くま先輩は、苦くて甘くて時々キス。


 それから駅から歩いて数分、龍樹先輩のお家のマンションへ着いた。

「今日は親いねーから、そんな緊張しなくていい」

 部屋に入ると先輩の部屋らしき部屋に通されて、モダンな落ち着いた空間が広がっていた。なんだか龍樹先輩らしい部屋だなぁ……

「どこでもいいから座って」
「う、あっはい」

 私は龍樹先輩に促され座ると「お茶淹れてくるから待ってて」と言って出て行ってしまった。部屋に残されてしまった私はどうすればいいかわからないし落ち着かなくて、キョロキョロする。すると今日の目的であるババロアを出して龍樹先輩を待った。

「お待たせ、ひなちゃん」
「ひ、ひなちゃん?」
「うん、ほうじ茶あったからほうじ茶ラテ作った。砂糖いる?」

 トレイには湯呑みがふたつ、真ん中にはスティックの砂糖が乗っていた。

「砂糖は大丈夫。龍樹先輩のリクエストのババロア作ってきましたよ、それに、チョコブラウニーも」
「うわ、美味しそう。ひなちゃん天才」

 龍樹先輩は、お菓子を見ると目を輝かしていて可愛かった。


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